ルーティンワークと企画情報ワークの違い

Webライティング式アイデア共有マネジメントの効果を最大化するには、個人能力を最大限に生かすような業務内容やプロセスへと変えていかなければならない。

製造業の例をあげてみる。

ルーティンワークと企画情報ワークの違いを比較する。

ルーティンワークにおいては、業務プロセスの上流から下流にかけての度合いが増加していることがわかる。

下流のプロセスに携わる従業員であればあるほど、「考える仕事がしたい」と不満をもらす率は高くなっている。

そこで、各プロセスの業務内容に「企画情報の共有と活用」という付加価値をつけることで、変換のプロセスを経て、ルーティンワークから企画情報ワークへと変えていくことができる。

たとえば、研究開発部門では、これまでの視野の狭い新規開発ではなくなる。

企画情報ワークに変化させることで、国内外の同業種だけでなく異業種からの事例をベンチマーキングしながら新手法開発や新素材発見が可能となる。

さらに、その新技術情報の蓄積も実施する。

また、設計部門では、これまでの試行錯誤の設計業務ではなくなる。

過去の経験や設計フォーマットを短時間に検索、閲覧できるようになる。

過去の失敗例を自ら体験しな
くても、教訓を学んだ上で、設計に反映できるようになる。

自分が作成した設計のノウハウを新しい企画情報として登録することも同時に実施していく。

さらに、実験部門では、依頼に基づく試作品の実験、及び、評価といった従来のルーティン業務から脱却し、過去の経験値や実験方法のノウハウを参考にすることができる。

設計部門への評価結果に加え、設計方針の変更を含む提案型のフィードバックなども可能になる。

ここでは、実験方法のノウハウとともに実験結果のフィードバックも実施する。

そして、品質保証部門では、従来の品質保証業務だけでなく、他工場での欠陥品発生率やTQMに関する最新ノウハウを取り入れることを通じて、全社的な品質向上が短時間に可能となる。

加えて、他工場でも有効と思われる情報の提供を行う。

最後に、生産管理部門でも、販売会社からの需要をべースにした生産計画策定業務だけでなく、業界の傾向も含めた顧客需要と季節変動を考慮した、より精度の高い生産計画策定、生産管理、工場間の在庫調整などを実行できる。

生産計画と実績との差異分析や、その理由の登録といった付加価値業務を実施していく。